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又しても、原子力行政問題点が?? [雑記]

「全電源喪失、国は「考慮する必要はない」と解説

国や電力会社は、原子炉制御の“命綱”ともいえる電源を、どう位置づけてきたのだろうか。

 規制当局である内閣府の原子力安全委員会は、1990年に定めた発電用軽水炉の安全設計審査指針の解説に、長時間の全電源喪失について「考慮する必要はない」と明記している。

 理由は「送電線の復旧または非常用交流電源設備(非常用ディーゼル発電機)の修復が期待できるため」としており、国は外部電源を失ってもすぐに非常用発電機が作動すると想定してきた。

 各原発は、同指針に基づいて設計されており、非常用電源を含むすべての電源喪失に対して万全の備えをしてきたとは言い難い。東北電力関係者は「外部送電線など電源確保の方法はたくさんあると考え、これまでは全電源喪失は想定していなかった」と話す。東京電力は急きょ、11日に柏崎刈羽原発で全電源喪失などを想定した訓練を行うことにした。」

発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針22ページの指針27.電源喪失に対する設計上の考慮に「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」。原子力安全委員会

「指針27.電源喪失に対する設計上の考慮
長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の
修復が期待できるので考慮する必要はない。
非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用(常に稼働状態にしておくこ
となど)により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しな
くてもよい」

「電源喪失、認識の甘さ陳謝 保安院・安全委トップら

東京電力福島第一原子力発電所で深刻なトラブルを招いた、非常用を含めた電源喪失事故。経済産業省原子力安全・保安院や原子力安全委員会のトップらが、6日の衆院経済産業委員会で、電源喪失を「想定外」としていた過去の認識について陳謝した。

 この日、これまでに原発問題を国会で追及してきた吉井英勝衆院議員(共産)が質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は昨年5月の同委で、電源喪失は「あり得ないだろうというぐらいまでの安全設計はしている」と発言していたが、この日は「当時の認識について甘さがあったことは深く反省をしている」と述べた。

 これまでの法廷証言などで電源喪失の可能性を否定してきた班目春樹・原子力安全委員長は「事故を深く反省し、二度とこのようなことが起こらないようにしたい」と答えた。

 また、過去に同様の見解を示してきた前原子力安全委員長(現・日本原子力研究開発機構理事長)の鈴木篤之氏も「国民の皆様に大変申し訳ないと思っている。痛恨の極み」。電源喪失の事態に備えてこなかったことは「正しくなかった」とした。

東日本大震災:電源喪失で炉心溶融、現実にはほぼ起きない 保安院長、昨年衆院で説明

経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が、昨年5月26日の衆院経済産業委員会で、福島第1原発で起きたような原発の全電源喪失による炉心溶融事故について、ほぼ起きないと説明していたことが分かった。寺坂院長はこうした事故の可能性は認めたものの、「ゼロじゃないという意味の論理的世界」と答弁していた。

寺坂院長は、全電源喪失事故とは「外部電源が喪失し、非常用ディーゼル発電機や隣の発電所からの電源融通もできない事態」と説明。「非常に小さな確率(のトラブル)が一つ一つ実現して、冷却機能が長時間失われると、炉心溶融は論理的には考え得る」と述べた。」

「原発の全電源喪失、米は30年前に想定 安全規制に活用

東京電力福島第一原子力発電所と同型の原子炉について、米研究機関が1981~82年、全ての電源が失われた場合のシミュレーションを実施、報告書を米原子力規制委員会(NRC)に提出していたことがわかった。計算で得られた燃料の露出、水素の発生、燃料の溶融などのシナリオは今回の事故の経過とよく似ている。NRCはこれを安全規制に活用したが、日本は送電線などが早期に復旧するなどとして想定しなかった。

 このシミュレーションは、ブラウンズフェリー原発1号機をモデルに、米オークリッジ国立研究所が実施した。出力約110万キロワットで、福島第一原発1~5号機と同じ米ゼネラル・エレクトリック(GE)の沸騰水型「マークI」炉だ。

 今回の福島第一原発と同様、「外部からの交流電源と非常用ディーゼル発電機が喪失し、非常用バッテリーが作動する」ことを前提とし、バッテリーの持ち時間、緊急時の冷却系統の稼働状況などいくつかの場合に分けて計算した。

 バッテリーが4時間使用可能な場合は、停電開始後5時間で「燃料が露出」、5時間半後に「燃料は485度に達し、水素も発生」、6時間後に「燃料の溶融(メルトダウン)開始」、7時間後に「圧力容器下部が損傷」、8時間半後に「格納容器損傷」という結果が出た。

 6時間使用可能とした同研究所の別の計算では、8時間後に「燃料が露出」、10時間後に「メルトダウン開始」、13時間半後に「格納容器損傷」だった。

 一方、福島第一では、地震発生時に外部電源からの電力供給が失われ、非常用のディーゼル発電機に切り替わったが、津波により約1時間後に発電機が止まり、電源は非常用の直流バッテリーだけに。この時点からシミュレーションの条件とほぼ同じ状態になった。

 バッテリーは8時間使用可能で、シミュレーションと違いはあるが、起きた事象の順序はほぼ同じ。また、計算を当てはめれば、福島第一原発の格納容器はすでに健全性を失っている可能性がある。

 GEの関連会社で沸騰水型の維持管理に長年携わってきた原子力コンサルタントの佐藤暁さんは「このシミュレーションは現時点でも十分に有効だ。ただ電力会社でこうした過去の知見が受け継がれているかどうかはわからない」と話す。

 一方、日本では全電源が失われる想定自体、軽視されてきた。

 原子力安全委員会は90年、原発の安全設計審査指針を決定した際、「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又(また)は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」とする考え方を示した。だが現実には、送電線も非常用のディーゼル発電機も地震や津波で使えなくなった。

 原子力安全研究協会の松浦祥次郎理事長(元原子力安全委員長)は「何もかもがダメになるといった状況は考えなくてもいいという暗黙の了解があった。隕石(いんせき)の直撃など、何でもかんでも対応できるかと言ったら、それは無理だ」と話す。」


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